お嫁入りした 100年前の French cello

2017年8月21日月曜日

音楽鑑賞


コンサートから解放され練習に追われなくてすむと思ったら、急にいろんな音楽が聴きたくなって、久しぶりに音楽鑑賞三昧をしています。

インターネット配信でラヴェルのバレエ音楽、マ・メール・ロワをベルリンフィルの演奏で聴きました。エキゾチックで洗練された響きはさすが。王女が100年の眠りから覚めて王子と結ばれる場面はトップの樫本大進さんとヴィオラトップの清水直子さんの二重奏が同じ日本人として誇らしくもあり、その穏やかな響きにうっとりしてしてしまいました。二人の弾くロマンチックなメロディーも甘すぎないところなんか好きだなー。こういうハッピーエンドの曲はなんど聴いても気持ちがいいものです。

次に2017年のベルリンフィルヴァルトビューネ(野外)コンサートではドゥダメルの指揮でシューマンのシンフォニー3番「ライン」。テーマのメロディーがよほど気に入っていたのでしょう、しつこいほどの繰り返しが今まであまり好きにはなれなかったけれど、ベルリンフィルで聴くとこんなにも魅力的になるの!というくらい最後まで飽きずに聴けてしまうのもやっぱりソリストの集団だからかな、、、。もちろんドゥダメルの音楽的なセンスが素晴らしいのもあると思うけど。ワーグナーの楽劇シリーズ「ヴァルハラ城、、、」ジークフリートから「葬送」「森のささやき」。アンコールはお決まりの「ベルリンの風」、でなんとドゥダメルがコンサートマスターと入れ替わり、ドゥダメルがノリノリでヴァイオリンを弾き、コンマスが楽しそうに指揮をし、雨の中を踊りだすお父さんと小さな女の子、指笛を鳴らす人、肩を寄せあって聴く恋人たち、ビール片手にほろ酔いの人。そんな様子を見ながら、こちらもその場に入り込んでしまって幸せな気分になってしまいました。

マーラーの5番をラトル指揮のベルリンフィル(インターネット配信)とコンセルトヘボー(iTunes)で聴き比べ。抑制の効いたベルリンフィルとおおらかなで清々しいコンセルトヘボー。聴いた条件が違うので単純に比較はできないが、どちらの演奏も勢いがあって流れ方が素晴らしかった。美味しいフランス料理をフルコースで頂いたくらいに満たされた一日でした。(8月20日)

7月に行われたナッシュのコンサート

ついこの間だったのに、ずっと前のことのような感じ。
弾きたいと思ってもそうそうチャンスのないメンデルスゾーンの八重奏曲も
弾かせてもらえたし、本当にいい経験になりました。

ちょっと反省:本番では広がりすぎてお互いの音が聴こえにくかった。わかっていたはずなのに譜面台がくっつくくらいに寄せ合って弾かないと音のまとまりが悪い。リハーサルの時にもっと位置確認をするべきでした。

2017年8月7日月曜日

想い出

8月6日
メモリアルコンサート

在りし日のH 氏

シューベルトはなんでもない音型が弾きにくくて難しいから積極的に弾きたいとは思わないな。メンデルスゾーンは和音の移り変わりを楽しむといいよ。走り出したら止まらないのがメンデルスゾーンなんだよね。

奇しくもこの日の曲目がメンデルスゾーンのカルテットとシューベルトのピアノ5重奏が入っていた。以前、合奏のトップをしていただいたことがあって室内楽のいろいろ教えていただいた。H 氏の音楽に共感できるところが沢山あって、その音楽的センスが大好きだった。

トップの後ろ姿が H 氏
(2002 の演奏会でのスナップ)

練習での休憩時間にはおむすびのトレードしようよ。と私のおむすびとH氏お手製のあぶらげと大根菜が入ったおむすびを交換。美味しかった!大根を選ぶ時は葉っぱの立派なものを選ぶのだと、、、。今では我が家の定番おむすびになっている。行きつけの居酒屋では各地の美味しい食の話で盛り上がり、美食家だったH氏。

また、 H 氏がウィーン留学中によく行っていたという「青島」という中華のお店を教えていただいたこと。ここは何を食べても美味しくて、ウィーンに行くと必ず食べに行くのが西駅近くの「青島」だった。数年前、ウィーンに着いてまず腹ごしらえしましょうとお店に行ったら中は真っ暗。あとで調べたら後継者がいなくてお店を閉めたとということだった。ウィーンでの楽しみの一つにもなっていたので、その時の私たちはとてもショックだった。そのくらい美味しいお店だった。

今年7月に行われた私たちのコンサートでは たまたま H 氏の好きなメンデルスゾーンを2曲演奏することになり、私自身、関節炎のことで悩んだとき、心の中では密かに H 氏が後押ししてくれたと感じている。

(ヴィオリストの奥様のことばをそのまま載せます。)
彼が亡くなる1時間ほど前、意識が朦朧とする中、寝ながら「せ〜の」と言って指揮したり、私の手を握りながら左の指を動かしていたり、彼は最後の最後まで音楽家であり続けました。



遠い空も向こうでもきっと素敵な音楽を奏でているでしょうね、、、。
祈り

プログラム
モーツァルト:セレナーデ13番ト長調 K.525 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第5番 変ホ長調 op.44 - 3
シューベルト:ピアノ5重奏曲イ長調 D.667「ます」


帰宅したら、日中ほったらかしにされていた?
トムくんがニャーニャー言って甘えてきましたよ。